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病気の話し |
小児の肛門疾患 |
乳児期の肛門疾患
1)乳児の肛門周囲膿瘍・痔瘻
乳幼児でも痔瘻はあります.それもほとんどが男児で,生後3ヶ月くらいに多くみられ,肛門の両側に起こりやすいです.自然治癒することが多いという成人にみられる痔瘻と違う特徴があります.
2)裂肛
乳児期では硬い便となることが少ないので,そう多くみられる疾患ではありませんが,女児で難治性の裂肛で来院されることがあります.
幼児期の肛門疾患
1)便秘症・裂肛
便秘と裂肛は表裏一体で,幼児期にはよくみられる.男女ともみられますが,女児に多いです.
裂肛は比較的簡単に治癒しますが,便秘症はその治癒に数ヶ月を要することもあります.
この時期は,オムツでの排便から便器での排便に移行する時期で,遊びに夢中になっていると便意があっても我慢するので硬い便となり,硬い便で裂肛→痛いので排便が恐ろしくなり排便を我慢する→便秘をして裂肛となるという悪循環を来たし,難治性となります.
便秘に対する治療が適切に行われれば,裂肛は自然に治癒することが多いです.
2)直腸脱
直腸の粘膜のみが脱出する粘膜脱と直腸全層が脱出する直腸脱があります.粘膜脱は1歳前後でよくみられ,直腸脱は2〜3歳以降でみられることが多いです.
いずれにしても,坐薬による定期的な排便を促すことにより軽快し,成長するとともに自然治癒することが多いです.
3)痔核
成人でみられる内痔核は稀で,ほとんどが外痔核です.便秘などの排便障害によることが多く,排便障害を治療し排便後の肛門の洗浄で治癒する. |
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