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病気の話し |
肛門の仕組み(肛門は縁の下の力持ち) |
肛門は,必要なとき(排便の時)以外は水一滴漏らさないような仕組みになっています.そうでないと,歩いているときや仕事中に便が漏れて,オシメをしないと,外出もできなくなります.
肛門が加齢と共に緩くなったり,神経的な病気のために肛門のしまりが悪くなったり,専門医でもない医師によって肛門の手術を受け,後遺症で緩くなったりしてはじめて,肛門のありがたみを感じるものです(そうなってからでは遅いのですが).
肛門の役割は当たり前すぎて,とても重要な役目をしている事が忘れられています.縁の下の力持ちなのです.感謝しましょう.
さて,水一滴漏らさないようにする仕組みはどうなっているのでしょうか.皆様は,肛門の括約筋で閉めていると思われるでしょう.それも事実ですが,筋肉で閉めるだけでは固形の便は漏れませんが,下利便は漏れてしまいます.密閉するためには,形が自由に変わる柔らかいものが必要です.神様(私はクリスチャンではありませんが)はこの役目をするために血液を利用しました.皆様,クチビルを連想して下さい.クチビルと肛門は非常によく似た構造になっています.違いは,クチビルには歯があることです.どちらも,入り口と出口で,ものを密閉する必要があるので,同じ仕組みになってるのです.クチビルは血液が豊富にあります.それにより,クチビルを閉めると筋肉と一緒になって口を密閉することができるわけです.
実際,肛門には血液を豊富に含んだ静脈の集合体(静脈叢)を持っています.この静脈叢が異常に膨らんだものが痔核なのです.別な言い方をすれば,必要悪とでも言えるでしょう. |
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