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| 病気の話し |
| 裂肛（切れ痔） |
原因：硬い便や下痢をすることによって，ご自身の肛門を傷つけることが原因です．肛門に傷ができると痛みを感じるので，防御的に肛門括約筋が収縮してしまい，筋肉がケイレンする痛み（ふくらはぎがつった時と同じ痛み）も加わることがあります．こうなると，痛みはズーンと持続します．
大概の裂肛は治療をしなくても，やがて痛みも和らいで治っています．しかし，なかには傷に付着した便から感染を併発し，傷が深くなったり，痔瘻を併発する事があります．手の平に傷があるのにウンコをにぎり続けている状態だと想像して下さい．裂肛が感染を併発すると，肛門の奥では肛門ポリープが出来，大きくなると脱出してきます．また肛門の手前では皮膚が腫れ，ニワトリのトサカ状のもの（これを見張りイボと言います）ができてきます．これにより，傷が相対的に益々深くなり，治りにくくなります．
裂肛が慢性化している方は，肛門が切れて治ることを繰り返し，やがて肛門が狭くなってきます．これは傷が治るときに縮みながら治る事と，肛門括約筋が痛みで長時間連続して収縮しているので，筋肉の弾力性がなくなる事によります．また，肛門の括約筋が硬くなると，血液の循環が悪くなり，かつ肛門が狭くなっていることもあり，益々肛門が切れやすくなってきます．
症状：痛みを感じます．慢性的になると，便が細くなったり，肛門ポリープが脱出してきます．また，肛門の外側にニワトリのトサカ状のものができてきます．
治療：裂肛の基本的な治療は，内科的に行います．原因となる便通不良を治す事が大切で，排便後には肛門をよく洗浄して清潔にする事です．ただ，慢性化して肛門が狭くなっている方は，手術の適応となります．この肛門が狭い状態は，上記の肛門括約筋が硬くなったためによるものと，肛門が筋肉，肛門上皮共に狭くなった場合があります．それぞれの手術方法は違います．
鑑別診断：梅毒者との肛門性交で，傷から梅毒の菌が侵入して肛門に梅毒の病変ができることがあります．これは専門医でないと診断は難しいです．また，肛門にできた癌は，症状的に痛みや出血があり，裂肛と似た症状や，所見を呈することが多く，専門医でないと診断は難しいです． |
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