碓井サテライトクリニック
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“よい医師”とは
工藤先生が秋田赤十字病院の外科部長時代の院長で工藤先生の良き理解者であった竹本吉夫先生のお言葉です.私の座右の銘としています.
 医師は五つの顔を持つと言われる.
 呪術者の顔,学者,科学者,技術者,そして援助者の顔だが,医師が人間を対象とするものである限り,医師は患者を冷徹な科学者,技術者の目だけでなく,人間の鋭い洞察者として,その患者を全人的に把握できる人でなくてはならない.
 私なりに,“よい医師”の十ヵ条をあげてみた.

@医師たるものは,なによりも医師としての“ウデ”を磨かねばならない.それによって始めて専門職たりうる.
A患者は医師にとって大切な顧客である.“診てあげよう”という態度でなく,“診させていただく”という謙虚で温かい心で接しなければならない.
B患者の訴えをよく聞き,丁寧に診察し,その結果や治療方針を患者にわかりやすい言葉でよく説明する.それによって患者の苦痛は半減し,医師への信頼感が生まれる.
C検査だけに頼って,患者を診る機会を少なくしてはならない.患者の症状そのものから診断の手がかりを得,また,治療方針を教えられることが多い.
Dいかなる“クスリ”といえども,生体にとっては異物であり,毒物であることを銘記すべきだ.病人を治すのは,あくまで自然に内在する治癒力であって,われわれが治すものではない.
E不幸にして患者が亡くなられた場合は,出来る限り病理解剖をお願いする.死因を究明し,自らの思考を反省することによって正しい経験が積み重ねられる.
F医師は医療チームのリーダーである.スタッフ全員から敬愛され,チーム全体の活動が患者にとって最善になるように努めねばならない.
G日常の仕事の惰性の中に埋没して初心を忘れてはならない.医学,医術の研鑽には限りがなく,また,その研鑽の成果を発表し,書いておくことも必要である.
H医師は,その3分の2は専門書を,3分の1は専門外の書を読むべきである.学問を深めることによって,人間の尊厳を実感できる自己を形成してゆける筈だ.
I最後に,よい医師とは,よい人間に通ずる.よい人間たりうるには,人間を知り,人間を愛し,そして自ら苦しむことによって得られる.

 秋田は酒の国,美人の国といわれる.
 秋田の素朴で飾り気のない人情にふれながら,ウイリアム・オスラー博士の「平常の心」を持って,これからの闘いの日々を歩んでいって頂きたい.
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